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2012年2月27日月曜日

GH2室内撮りの設定とかとか

半年ほど前買ったカメラも、何も考えず撮っているだけではなかなか最適な設定が手につかないので、この場を借りてその日撮った分などを整理してみることにしました。

今日の設定はこんな感じ。
◆カメラ Panasonic GH2
◆レンズ LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH
◇その他使用 三脚、一部マクロレンズ、照明1灯

今回はF値とフォーカスの関係を見極めたかったので、MFオンリー、絞り優先設定です。

f2.0 ISO160 
f2.0 ISO160 

これはどちらも設定同じですね。
土砂降りの中帰ってきた通勤用自転車dahon Mu P8、清掃前です。
完全消灯した部屋に470ルクスのLED電球直当てなんですが、コントラスト出てて結構良いかな、と。
フォーカスも、外している部分は良い感じにボケてて狙い通りな絵になってます。
後処理なし(1/4に縮小のみ)で特に考えずこんな感じだと、自分的には満足行く出来です。

別パターンでも。
f2.2 ISO160
こちらはうちのモデルさん、TinyFairyからKyle(女の子だからKylee?)さんに、手持ち無沙汰なのでFireBallドロッセルお嬢様の 書物型記憶装置 「プロスペロ」を借りてきました。

43cmの人形なのでどうしても寄らざるを得ず、自然とフォーカスが厳しくなるのですが、練習にはちょうど良いかと。
まだ小さいのに物憂げな美人さんです。


このサンプルでもそうですが、顔にピント合わせて背景もボカすとなるとどうしても手前の本や膝頭までボケてしまいますね。
全体にピント合わせつつ、背景は良い感じにボカすとなると、後ろに距離が必要になってきて、そうするともう少し大きめの背景素材が必要になってきそうです。(現状は70*55cmの包装紙@100均)

ちょっと寄りでF値毎の違いを比較。

f2.0
f8.0
f16

 f2では余程狙わないと顔の極一部分にしかピントが合わない感じ、f16だと逆に全体が合いやすいですが、ちょっとスケール感が無い気もします。これはこれでそういう意図であればありか…
f8辺りだと、ボケとピントのバランスが丁度良い印象ですね。f4-8辺りでレイアウトによって微調整、が落とし所と言えましょうか。

アングル変えてこちらから。
f1.7
f8.0
f16














SSと露出はオートなので若干明るさにばらつきがありますが、こちらもf2-8の間あたりが落とし所のようです。
ライティングが1灯だけということもありますが、f16だとちょっとメリハリにも欠けますね。(自動露出で全体が上がってしまったのか?)

では最後に正面から。これが一番分かり易いかもです。

f2.0
f8.0
f16














手前の本にまでフォーカス合わせたいとしたらカメラ側の設定は元より、もっと背景と距離を取らないとダメですね。

その他に、背景色を変えてみたり…
f2.2














ライティングを変えてみたり…
f8.0
f8.0















最後にまとめて。


結論としては、今回のようなかなり至近距離のケースだと現状の装備ではF値4-8辺りが適正といったところでしょうか。
もっと背景から対象が浮かび上がりつつ必要な部分にはきちんとピントがあっている、という風にボケとピントをコントロールできるようになりたいものですね。
今回のケースでは露出はカメラ任せだったので、拘るのであればそこも込みでコントロールしたいです。多少後補正は効くとはいえ、ショット毎に明るさがまちまちでは後が大変なので。

という訳で次回は、もう一灯ライトを調達してライティングの調整を試してみたいと思います。CGをやる上でも、ライティングによる絵作りは重要なので、上手くフィードバックが生かせるようになると良いのですが。


2012年2月22日水曜日

2012/2/11 東京日仏学院でのトークショー雑感

先日東京日仏学院で開催されたAnkamaのイベントレポートなぞ。
一週間経ってしまったので今更感は否めないですが、ま、それはそれ。
海外マンガ、アニメと言えば、のスカポン太さんがブログでまとめられているので
レポとしてはあちらの方が詳しいかも知れません。

はてさて。
お目当ては、wakfuシリーズ2本の上映と特別編2本の上映、あとは画集でも買えればと思って行ってきたんですが、こちらは品薄で手に入らず…
事前スケジュールより30分近く早く上映が始まったり、ちょっと企業イベントとしては緩い感じでしたね。

上映は日本語字幕のお陰で細かいニュアンスもだいぶ分かり楽しめました。日本の著名スタッフも参加して作った特別編は本編とはまた違ったベクトルで非常に見応えありましたし。

正直Dofusというゲームもwakfuの世界観もきちんと把握していないので、設定絡みの展開部分はちんぷんかんぷんでしたけど、初見層にも十二分に訴求力のある作品だと思います。
是非メディア化を!!

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…閑話休題。

さて、その上映の後に制作会社Ankamaのスタッフとシリーズ監督のOliver氏、
上記特別編監督の高橋さんを交えての日仏アニメゲーム事情についての
カンファレンスがあり、これが非常に考えさせられるものだったので
今年初の記事を起こしてみた次第です。

<以下印象的だった発言まとめ>
(うろ覚えメモと僕のフィルターを介しているので若干ニュアンス怪しいかもです)

<日仏のアニメ制作事情の比較>
◇高橋さん
・日本のアニメ制作現場の閉塞感と若い Ankama スタッフの元気の良さの対比
・現在の日本アニメは円盤(DVD/BD)を売るためのアニメとして存在している
  (かつてはおもちゃを売るためのものだった)
・現場に求められているのは「所有欲を掻き立てるようなアニメ」
  ただ見られるだけでなく、手元に置いておきたくなる付加価値が必要とされる。

◇Oliver氏/Ankamaスタッフ(多分)
・認知度(や売上も?)ラテン語圏以外ではまだまだ
・Ankamaはマンガ、アニメ、ゲーム全部インハウスで450人規模、平均25歳
・Ankamaはまず「世界」を作ろうとしている(ゲームデザインとして
   wakfuアニメもゲームでの成功がまずあって、そのファンに向けて作ったもの

・国の保護(文化事業への補助金を制作に利用、
   フランスの文化政策で国産のものが一定の割合になるよう重用される
・日本でのアニメ展開も視野に入れているが、既に完成しているものを
   現状のTVOAフォーマットに載せるのは難しい


高橋監督の「所有欲を掻き立てるようなアニメ」という表現。
ただ映像作品として優れているだけでは足らなくて、TVやネットなど一次メディアでは得られなかったもの(初回特典のグッズだったり、湯気やT光の下の何かだったり…)を円盤を購入することで手にする、ことを欲求させる、ということでしょうか。
ただ、それを作ることに現場(の少なくとも一部)は閉塞感を覚えているということも重要だと思います。
現場が好きに楽しく作ったものが必ずしも観る側、お金を出す側の欲求に見合うとは限らないのは承知しているつもりですが、ドラゴンボールやグレンダイザー(ゴルドラック;何度も連呼してたのでホント好きなんだろうな、と)を見て、それに憧れて会社を作ったという人たちの作った映像が、これだけ元気に満ちているのを見るとこの対比はとても印象的でした。


<アニメが世界中で見られるために必要な普遍性とは?>
(日本のアニメが世界で受け入れられている普遍性の根拠は?といった感じだったかも)
◇高橋さん
・動いてる絵があるとつい見ちゃう/CGが動くのとは何故か違う
・日本が唯一(最初に?)、その動いている絵を早く安く大量にTVに供給することができた
→結果として世界中に広まった
・最近は逆に、映像を見るための基礎知識や技術、約束事が増えてきて、
  作品を理解するための文法が作品の外に広がっている。
  このままだと海外で理解されず売れなくなる…と思いきや、意外に売れ続けてる
→世界には日本の漫画、アニメの文法を理解する人々が少数ながらも遍在していて、
  そこがマーケットとして機能している(この辺だいぶ主観混じってるかもです)
・がしかし、今の日本アニメを理解する人たちに向けて喜ばれるものを作ることが
  普遍性のあるものを作ることになるのか、そこは疑問、バランスの問題か

◇Ankamaスタッフ
フランスでは動画は常に動いていなければならなかった。
  ストップモーションは未完成と思われる。フランスには動きのない能はない。
⇒多少コマ落ち(一秒間に動く絵が8枚とか;3コマ作画の場合)してても
  動いてることにしちゃう日本アニメとの対比のことかと。

⇒⇒⇒
広く世界に受け入れられるには、普遍的な何かがなくてはいけない、という思いが
質問の根底にあったのだと思います。
そして、おそらく殆どの制作者にとってはどこかでこの普遍性を求める意識があるとも。
(それは良い悪いでなく、普遍とはそういうものだからですが)

これに対しての高橋監督の答えが、またドライで面白かったのと、
現状のドンドンと特殊化する作品とその世界的受容に対して、
普遍性とはちょっと違うのかも、という感覚がこれまた印象的でした。

普遍性を追求するのか、特殊性を突き詰めるのか⇒特殊の少数偏在は普遍足りえるか
という考え方はすぐに答えの出るものではないにせよ、改めて考えてみたいテーマです。

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とまあこのように、予想以上に制作者側にとっても実りの多いイベントでありました。
Ankamaに留まらず、いろんな国の作品ともっと触れる機会が増えてくると良いですね。
アニメを理解したいがためにフラ語を勉強しだした人間がここにいるくらいですから、
なかなかどうして、文化交流としても有力だと思うのですよ。